2011年2月26日土曜日

善水寺 まさに平安仏の宝庫!人里はなれた霊水の地【滋賀】

善水寺

琵琶湖の東南に市町村合併以前は甲西町と呼ばれていた古刹、善水寺がある。
今は湖南市と名を変え、天台宗派で国宝建造物をもつ「善水寺」「常楽寺」「長寿寺」の
三ヵ寺を湖南三山と呼び観光面でのPRをしており、それまでは知名度が御世辞にも高いとは
言えなかったこの土地に、今では秋になると紅葉の名所として多くの観光客で賑わう。
今回はそんな湖南三山を巡ってみた。


最初に向かった先は善水寺。
名神高速竜王ICを降り、南下すること20分。
小高い山の中腹にきれいに駐車場の整備されたお寺が現れる。
この日は境内の整備工事が行われており、行者堂と呼ばれる境内北側の
整備をされていた。


zensui-04.jpg
善水寺


ご住職に案内されて早速本堂へ向かい、簡単に善水寺のお話を拝聴する。
この本堂こそ国宝に指定されている南北朝時代に再建された、入母屋造り・桧皮葺のお堂で
お堂正面七間、奥行き五間という立派なお堂である。


zensui-02.jpg
善水寺本堂


この堂内でまず目をひくのは外陣に安置されている二躰の仁王像である。
通常は山門にどっしりと立つ仁王像が、ここでは堂内両脇にいらっしゃるのである。


ご住職に話を聞いたところ、戦後にこの仁王像を修理すべく山門から仁王像を持ってきたのだが、
その山門のある場所がこの山の麓で、かつ谷のようになった所に建っており、大雨の被害で山門が
流されてしまったことにより帰る場所がなく外陣に安置されているそうだ。

身の丈280cmを超える仁王像を堂内で拝見するというのも、なかなかない経験である。


zensui-03.jpg
善水寺本堂


内陣へ入ると秘仏本尊薬師如来の安置された厨子を囲むように、
3段になった須弥壇に重要文化財指定の仏像がずらりと並ぶ。

このご本尊の御開帳は33年に一度とか50年に一度と決まったものはなく、
次回の御開帳は未定なのだとか。

須弥壇には梵釈四天と呼ばれる、天台宗の基本形とも言える、梵天、帝釈天、四天王、
そして鎌倉期の十二神将が安置され、堂内を賑やかに飾る。

内陣の裏には兜跋毘沙門天、不動明王など、どれも美仏ばかり。
西国巡礼と絡めるなら観音正寺や長命寺などと合わせることも出来る。
仏像に会いに行くなら一度は訪れていただきたいワンダーランド。


また、境内にはその昔、桓武天皇がご病気の際に最澄がこの地で霊仏出現の
地水を以て病気平癒を祈祷し、献上されたところたちどころに平癒されたことから、
今でも境内には「善水」という水を汲みに来る方たちで賑わっている。

容器を忘れても本堂参拝後、水を汲むペットボトルを常備していただいているので、
汲んで帰ることが出来る。

zensui-01.jpg
善水寺「善水」霊水場



善水寺HP:http://www.zensuiji.jp/
所在地:滋賀県湖南市岩根3518

電車:JR草津線「甲西」駅下車、湖南市巡回バス下田行き「岩根」下車徒歩10分
   JR草津線「三雲」駅下車タクシーにて15分
拝観時間:9:00~17:00(12月から2月までは16:00まで)
拝観料:500円
休み:ナシ
その他詳細情報は仏像ワンダーランドHPへ>>




善水寺周辺地図

大きな地図で見る

参拝日:2011/02/23





0 件のコメント:

コメントを投稿