奈良には日本最古の道と言われている「山の辺の道」がある。 その山の辺の道に天長元年(824)に淳和天皇の勅願により弘法大師が日本神社の神宮寺として 創建されたと伝えられる古刹が長岳寺で、奈良市内から車で30分ほどで到着する。 |
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長岳寺 国道169号を東に入ると山の辺の道へ | |||
釜口大師の名で知られるこの寺は、鎌倉時代末より興福寺の末寺となり、その後、応仁の乱で主要な堂宇を失うも寛永7年(1630)に再興され今に至る。 |
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長岳寺 全景 | |||
長岳寺は関西花の寺霊場の第19番札所にもなっており、12,000坪という広大な境内には春は桜、秋には紅葉が時に有名で、観光スポットにもなっている。 12,000坪と聞くと広大であるがそのほとんどが山に囲まれているため駆け足で巡れば20分ほどで境内を散策できる。 |
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長岳寺 根上りの松 | |||
山の辺の道は今ではのどかな奈良の風景を見せてくれる田舎道であるが、 8世紀の初めには官道として出来ており、今で言う国道のような役割を持っていたのだろう。 その道沿いに位置する長岳寺には文化財も多く重要文化財には仏像5躰、建造物4棟が指定されている。 山の辺の道を歩くと大きな松の木が参道を影に隠していた。 |
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長岳寺 | |||
長岳寺 大門 | |||
長岳寺 鐘楼門 | |||
根上りの松と呼ばれる大きな松の木を少し登ると大門があり、 受付の先には平安時代に創建された日本最古の鐘楼門がある。 現在はその上層に鐘は吊っていないが、遺構が残っている。 |
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長岳寺 旧地蔵院 | |||
旧地蔵院庭園 | |||
そこを抜けると本堂となるのだが、この鐘楼門をくぐる手前、 受付の裏手が庫裏を兼ねた旧地蔵院で、ここに普賢延命菩薩を本尊とする 二間四面の小さな旧地蔵院本堂がある。その横に広がる庭園も美しい。 書院造りの上品な風景を遺している。 |
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旧地蔵院 奥が本堂 | |||
こちらの普賢延命菩薩は大和十三佛第四番霊場となっている。 また旧地蔵堂では三輪そうめんをいただくことができる。しかし、閉門1時間前だとすでに終了していたりするので注意。山の辺の道を散策しながらお昼時に長岳寺へ入り、そうめんを頂くという散策コースもいいかもしれない。 |
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長岳寺 本堂と放生池 | |||
鐘楼門をくぐると右手には放生池、左手には本堂があらわれる。 本堂には8躰の仏像が安置されており、本尊の阿弥陀三尊は重要文化財に指定された仁平元年(1151)の作。平安時代藤原期の作で、鎌倉時代に慶派が流行させた玉眼の技法を用いた日本最古の仏像でもある。 |
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長岳寺 本堂 | |||
頬や胸元の張りのある表情や彫りの深い衣紋はそれまでの平安仏とは異なり、次の鎌倉時代への先駆的作風となっている。 脇侍の観音・勢至菩薩は半跏踏下の姿。こちらも写実的で非常に美しい姿をされている。 |
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長岳寺 弥勒大石棺仏 | |||
境内には鎌倉時代の石棺仏があり古墳の石材を利用したものらしい。 |
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長岳寺 石仏 | |||
他にも鎌倉時代から江戸時代にかけての石仏も多く、境内を廻ればその多さが分かる。 |
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長岳寺 四国八十八ヶ所へんろ道 | |||
また、大門から真っ直ぐ鐘楼門に行く道もあるが、大門を通り直ぐ左へ曲がると「長岳寺へんろ道」 という四国八十八ヶ所の石仏を並べた山道もある。境内をぐるりと一周する山道であるが、なかなかの勾配だった。 長岳寺HP:ナシ 所在地:奈良県天理市柳本町508 JR桜井線「柳本」駅下車、東へ徒歩20分(タクシーで5分) 拝観時間:10:00~17:00 拝観料:300円 その他詳細情報は仏像ワンダーランドHPへ>>
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参拝日:2011/08/16 |
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2011年8月18日木曜日
長岳寺 山の辺の道にのこる古刹【奈良】
奈良 長岳寺
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