2011年5月8日日曜日

養老寺 名瀑に守られた千手観音【岐阜】

養老寺

養老寺は岐阜県では有名な養老の滝の麓にある真宗大谷派の寺院。養老寺のあるこの土地一帯が県営の養老公園となっており、一年を通して多くの観光客で賑わう観光スポットとなっている。

717年には草壁皇子の娘である元正天皇(氷高皇女)が、740年には奈良の大仏の発願者でもある聖武天皇が行幸に お出かけになるほどの名瀑と名水を持った地域で、元正天皇の時にはこの地の水で痛みが回復されたことから「醴泉は、美泉なり。もって老を養うべし。」とお褒めになり、元号も霊亀から「養老」に改元された。


養老寺
養老寺


養老二年には七堂伽藍を構える大寺であったそうだが、今では兵火や檀家信徒の減少などもあってか現在の本堂は外も中も老朽化が進んでいるようで本堂のブルーシートが現状をよくあらわしていた。


養老寺 千手観音
養老寺 千手観音


宝物殿と掲げられた収蔵庫に案内していただくと千手観音と向きあうことが出来た。
寺伝によると鎌倉時代とあるが、この養老寺は平安末期に天台宗に転派したことから本像もその頃のものであろう。 様相からも平安時代藤原期の特徴をよく現している。


養老寺 千手観音
養老寺 千手観音


光背と台座、錫杖は後補であるが、鼻筋の通った細身のその体躯は女性らしい気品が伝わる。


伎楽
養老寺 千手観音


観音さまの後ろには養老の滝がいつも轟々と流れ落ちている。観音さまがこの地に来るよりもずっと前からこの地を守ってきた養老の滝に観音さまも守られているのだろう。

その表情はとっても柔らかだった。


養老寺 不動堂
養老寺 不動堂


また、本堂と宝物殿の間には不動堂があり、ここには絶対秘仏である不動明王(県重要文化財)が安置されている。

岐阜という地方は実に様々な仏像が多い。
この近くでも美濃国分寺の薬師如来、明星輪時の地蔵菩薩、報恩寺の円空仏など仏像濃度の濃い県である。 ただし、殆どの寺院が観光寺院でないため事前の申込が必要な寺院も多く、なかなか多くの人に知ってもらうことが出来ないのが残念である。




HP:ナシ
所在地:岐阜県養老郡養老町養老公園1276-1

養老鉄道養老線「養老」駅より徒歩20分もしくは、養老駅よりバスで「養老公園」下車
   
拝観時間:要予約確認
拝観料:志納
その他詳細情報は仏像ワンダーランドHPへ>>




養老寺周辺地図

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参拝日:2011/04/27





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