2011年5月22日日曜日

西国19番札所行願寺 街中にひっそりと佇む革堂【京都】

行願寺(革堂)

大好きな京都。
仏像好きというよりもお寺の空間そのものが好きな私は、京都にいるだけで胸が高鳴る。

この日は、朝一番に亀岡の穴太寺に参拝し、そのまま車で京都市内に入りそこからは自転車で回ることにした。折りたたみ自転車であれば車にも積むことが出来、こうゆう時には非常に便利だ。


予定コースは、革堂→六角堂→清水寺→今熊野観音寺→元慶寺と、すべて西国巡礼の札所を参拝する。

行願寺(革堂)
鴨川


鴨川を左手に見ながら川端通りを北進し、丸太町通りを左折、 河原町丸太町の交差点を過ぎると京都御所の南東角、寺町通にぶつかるので ここを左折し80mほど進めば左手に西国33観音霊場19番札所「革堂(こうどう)」に到着となる。

詳しい方なら寺町通りと竹屋町通の交わるところに行願寺があると言った方が分かりやすいのかもしれない。


行願寺(革堂)
西国19番札所 行願寺(革堂)


三条京阪あたりから自転車でのんびり走っても15分ほどで到着した。
革堂は正しくは「行願寺(ぎょうがんじ)」という天台宗の寺院。



行願寺(革堂) 千手観音
行願寺(革堂) 山門


車なら気づかずに通り過ぎてしまいそうなくらい、街中にひっそりと佇んでいる。



行願寺(革堂) 千手観音
行願寺(革堂)


1004年に創建されたこの行願寺、「革堂」という不思議な名前であるが、 その由来は、行願寺の開基である行円上人が若い頃、身篭った母鹿を射止めてしまったことを悔やみ、 それからは常にその鹿の皮をまとい生活していたことから、その姿を見た人々に皮聖(かわのひじり)と呼ばれることとなった。

その事から皮聖の居るお堂ということで革堂と呼ばれるようになったと言われている。

創建当時は一条通りにあったものが応仁の乱など度重なる戦乱や火災により幾度も焼け、 京都市内で場所を変えながらも多くの人々の篤い信仰から今も京都市内の中心部に建つ。



行願寺(革堂)
行願寺(革堂)


山門前に立つ石柱にはその時からのものであろうか「一条かうどう」と書かれていた。


伎楽
行願寺(革堂)


現在の本堂は1815年に建てられたもので、本堂に掲げられた奉納額や、 山門の札からも、長い年月と共に集まった多くの人々の篤い信仰を伺い知ることが出来る。

本堂には、平日の朝にも関わらず多くの巡礼者が訪れていた。


行願寺(革堂)
行願寺(革堂)


街の中心部にこれだけ見事なお堂が現れるのも京都の特徴であろう。
本堂から離れて見てみると唐破風をつけた重みのある屋根を持つお堂であることが分かる。


行願寺(革堂)
行願寺(革堂) 手水舎


今回の旅で新たに使用したのが一眼レフ。
今までの小さなデジカメと比べるといろいろな写真が取れるので楽しい。


行願寺(革堂)
行願寺(革堂)


この日の参拝者も西国33観音巡礼をまわっている方々が多かった。
京都の中心部とは言え、一本入った所にひっそりと佇む革堂はこの界隈に住む人達を除けば、西国巡礼者がほとんどなのかも知れない。

行願寺(革堂)
行願寺(革堂) 奉納額


本堂に掲げられた多くの奉納額。
行願寺がいかに町の人々、巡礼者から愛されていたかが伝わってきます。

行願寺(革堂)
行願寺(革堂)


本尊は秘仏の千手観音立像で、 開基である行円上人が彫られたと伝わっています。
本堂には常時御前立の千手観音が立っており、その脇には2mほどの地蔵菩薩立像が安置されている。

この地蔵菩薩像の姿が、白い頭巾をかぶったお姿という少し変わった格好。恐らく位が高いということで頭巾をかぶっているのであろう。暗い堂内に光のように明るい真っ白な頭巾が印象的であった。


本尊千手観音立像のご開帳は1月17日と18日の二日間のみ。
この日は内陣に上がることができます。

行願寺(革堂)
行願寺(革堂)


本堂の右手はこのようになっている。写真正面には鎮宅霊符神堂、右は庫裏。京都の街中らしい小じんまりとした境内であるが、一歩入れば周りの騒音が消えるように感じるのは私だけだろうか。

行願寺(革堂)
行願寺(革堂)


行願寺は西国札所だけではなく、京都七福神巡りの一つでもあります。
七福神の石像の左手には寿老人を祀るお堂がありました。室町時代に広まった福神信仰により京都市内には多くの福神が祀られている。特に「えべっさん」や「大黒さん」と親しみを持った呼び名で関西圏では広まっています。

※寿老人…人の寿命を支配する星の化身で三千年の長寿を保つ玄鹿を従え、人々の難を払う団扇を持っていることから、福財・子宝・諸病平癒・長寿の功徳ありといわれています。

行願寺(革堂)
行願寺(革堂)


境内のさらに奥には一条から移ってくる前からここにあったのだろうか、大きな平安期の五輪塔。


行願寺(革堂)
行願寺(革堂)


ひっそりと、という言葉がほんとうに良く当てはまる革堂。
この日は5月中旬というのに日差しは強く、いよいよ蒸し暑い夏の京都が始まろうとしていた。


この後、西国18番六角堂へ向かう。




HP:ナシ
所在地:京都府京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町17

京阪電車「神宮丸太町」駅下車徒歩10分
   
拝観時間:8:00~16:30
拝観料:志納
その他詳細情報は仏像ワンダーランドHPへ>>




行願寺(革堂)周辺地図

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参拝日:2011/05/18





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